引き際

スポーツ選手の引退には、二種類あると言われている。

余力を残しての引退
力尽き果てての引退

清原の場合は、後者だと思う。
かつての名選手もそういった辞め方をした選手がたくさんいた。野茂や桑田にしても、力尽きるまでがんばった選手たちだと思う。最近は、そういった辞め方をする選手が多いような気がする。というよりも、そっちの方が記憶に残るかもしれない。
余力を残して辞めたのは最近ではサッカーの中田くらいのような気がする。
嫌な話だけど、プロのスポーツ選手でいる限り、一般の人よりもお金はもらえる。ただ、一度絶頂を極めた選手たちがベンチを暖める、二軍暮らし、怪我などでプレーさえできないという状況が何年も続くのは、プライドを捨てなければできないことだと思う。そういう意味で、彼らは本当にそのスポーツが好きだったんだなということがわかる。
サッカーのカズは42歳になろうというのに、まだ現役を続けている。カズは「サッカーはJ1やJ2だけではなく、その下のJFLや地域のチームでもサッカーを続けることができる」と言っている。カズを観ると、今ではパフォーマンスは落ちていると思うけど、いつも何かしてくれるんじゃないかと期待してしまう。カズはまだしばらくは、続けると思う。
イチローも必ず打てなくなる時がやってくると思う。でも、イチローも「50歳まで続けたい」ということを言っていたのをどこかのテレビで見たことがある。
それから、陸上の為末もブログで、「勝てなくなるかもしれないけど、現役を続ける」と宣言していた。うれしかった。

選手としての晩年は辛いこともたくさんあるかもしれないけど、名選手ほど、ボロボロになるまで、現役を続けてほしいなと僕はそう思う。身勝手なファンの一人で申し訳ないけれど、結果が残せなくなるのは暗い影のように思えるけど、かえって、選手のキャリアを彩るように思える。プレーばかりではなく、人間性までも垣間見える。

清原は、打率、打点、ホームランのタイトルはなかったけど、ホームラン数、史上5位の名選手だった。社会に与える影響もあった。僕も小学生のころから、応援していた。西武の黄金期を支え、巨人に行った時はムカついたけど、戦力外になった後、オリックスへ移籍。その時、この人は本当に野球が好きな人なんだと思った。キャリアの晩年は怪我に苦しんだが、人気は変わらない。いつまでも、ドキドキさせてくれる選手だったんだと思う。